犬塚さんは画家であり教員でもあります。
登山を通して自然の奥深くと対峙してきた方で、 1988年、38歳のときに谷川連峰で遭難。 尾根まで出たところで力尽きてしまいました。 初期の作品は、たとえば草原の草の一本一本、石場の石の一つ一つを すべて描き切る、精緻で有無を言わせない圧倒的な作品。 以降、ブナ林~石と水へとモチーフを求めるに従い、 画家の精神面が強く前に出るようになります。 以前、長野県東御市の梅野記念絵画館で開催された展示を 拝見したことがあります。 もう、最初の作品から言葉が出ませんでした。 緻密さにも驚きましたが、それを描き切った犬塚さんの情念に 圧倒されました。 石と水をモチーフにした作品などはもう哲学の領域で 今の私と同じ年齢でそこまで到達しえたことにも驚きです。 制作の途中で 「水が描けないから見てくる」 と出かけた谷川連峰で遭難。 そこまで行かなければ見られないもの。 たぶんそれは目の前の風景ではなく、そこに行くことで達する 高い精神世界だったんじゃないかと思います。
by HiDe-pastel
| 2009-11-12 03:33
| 画家
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