犬塚勉
 犬塚さんは画家であり教員でもあります。

 登山を通して自然の奥深くと対峙してきた方で、
1988年、38歳のときに谷川連峰で遭難。
尾根まで出たところで力尽きてしまいました。

 初期の作品は、たとえば草原の草の一本一本、石場の石の一つ一つを
すべて描き切る、精緻で有無を言わせない圧倒的な作品。

以降、ブナ林~石と水へとモチーフを求めるに従い、
画家の精神面が強く前に出るようになります。

 以前、長野県東御市の梅野記念絵画館で開催された展示を
拝見したことがあります。

 もう、最初の作品から言葉が出ませんでした。

緻密さにも驚きましたが、それを描き切った犬塚さんの情念に
圧倒されました。
石と水をモチーフにした作品などはもう哲学の領域で
今の私と同じ年齢でそこまで到達しえたことにも驚きです。

 制作の途中で
「水が描けないから見てくる」
と出かけた谷川連峰で遭難。

 そこまで行かなければ見られないもの。
たぶんそれは目の前の風景ではなく、そこに行くことで達する
高い精神世界だったんじゃないかと思います。




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by HiDe-pastel | 2009-11-12 03:33 | 画家 | Comments(2)
Commented by 職人 at 2009-11-13 12:26 x
!! 驚いたね。
ネットで見たけど、あれはすごい。写真としか思えない。
画集も大人気らしいぞ。
Commented by HiDe-pastel at 2009-11-13 16:28
あれはぜひとも実物を見てほしいです。
作品は結構大きいんだけど、それでも目を疑う。
「人が簡単に到達できない領域」ってのを実感したわ。
今の自分と同じ歳ってのもね、いろいろ考えさせられました。

画集もあったけど、個人的には実物を見ちゃうと物足りないかなぁ。
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